"「ホワイトキャット」エレジー"の記事一覧

「ホワイトキャット」エレジー⑦

 その黒い大きなものは、私から少し離れた上流で停止すると、ザブーンと水中から頭を出しました。  大きな黒い頭(人間の頭位)が見えました。顔は横幅があり、目がギョロリトして長いヒゲがありました。体長は1m以上ありそうでした。  「また、出たのか、キャットフィッシュ」  実は私は小学生と中学生の時にこの小川で、…

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「ホワイトキャット」エレジー⑥

 9月のある日の夕方、高校から帰ると、私はまた小川に行きました。その日も、近くの店でパンを2、3個買って来て、岸辺に座り込んで食べるのです。  小川の岸辺に座り込むと、夏休みになる前、高校でのR子とのやりとりを思い出しました。  高校生になると、みんな将来に具体的な夢を描くようになります。  クラスの者も、「テレビ局に…

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「ホワイトキャット」エレジー⑤

 「R子です」と言われて、私はよろめいて思わず小川に落ちるところでした。  「本当に、R子さん?」  彼女は沈黙していましたが、突然「キャッハハハ」と吹き出すように笑いました。  そして私のほうへ歩いて来ました。  私は少し驚きました。彼女がなぜ笑ったのか……。   私の前までくると、彼女の顔がはっきり見…

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「ホワイトキャット」エレジー④

 R子の家族は、どこかに身を隠しているのでしょうか、それとも………私は最悪の事態を想像して不安になりました。  そのような急迫した家庭状況におかれているR子に対して「R子が笑ってくれたら」とか「『ホワイトキャット』が『ブラックキャット』になった」などと私は思っていたのです。  R子がグッバイと手を振った時、少なくとも私も手を…

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「ホワイトキャット」エレジー③

 「2学期になったらR子に何と言って話しかけようか」などと気をもみながらも、夏休みの日々は、私は仲間とキャンプに明け暮れました。  仲間というのはボーイスカウトで、毎年夏休み期間中は、合計3週間位キャンプ訓練で過ごすのです(私は中学1年から高校3年までボーイスカウトに入団していました)。  夏休みが終わり2学期が始まりました…

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「ホワイトキャット」エレジー②

 玄関に誰か女の子が来たようでした。私は2階の自分の部屋から出て、そっと階段を下りて行きました。  その時、母と何か面白い話でもしたのか、「アハハハ」と女の子の大きな笑い声が響いてきました。  「何だ、アリサか」。私は玄関に出て行きました。  アリサは私より1歳上の従姉です。同じ町に住んでいるので時々来るのです。 …

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「ホワイトキャット」エレジー①

 高校に入って、R子という同級生が気になり始めました。R子は小柄で上品な感じでしたが、なぜか寂し気な人でした。また、何事にも慎重かつ緻密で、勉強の良くできる人でした。  私といえば、生まれつき楽天的で大ざっぱ、我が道を行くという自由奔放な性格でしたが、それでいて、当時、自分はプラグマティズム(超現実主義)であると自認していたのです…

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商品紹介

プロフィール

Romy Rurikawa
あらゆる乗り物が好きなのでよく旅に出ますが、そこは日常の喧騒から逃れて自分をみつめ、淡いふれあいもある、やすらぎの空間なのです。