「ブルーサファイア」エレジー㉕

 私は、カノン先生に質問しました。  「このホテルを描いたあの絵は、印象的な美しい絵ですね。ひょっとして、カノンさんが描かれたのですか?」  「ええ、そうなのよ。私が描いたわ。兼永のおじさんに頼まれたの」  A先輩も絵を見ながら言いました。  「単なる風景画とは違うのですね。ハッとさせるような独創的な美しい絵です…

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「ブルーサファイア」エレジー㉔

 すると、カノン先生の父親は、今度はA先輩に話しかけました。  「有坂さんも、背が高いですね。高校生になれば、そろそろ将来の夢とか、仕事のことも考えられるでしょうが、もう決めておられますか?」  「はい。……なれるかどうか分かりませんが、弁護士を……夢見ています」  「そうですか……弁護士ですか、ご立派ですね。では志望…

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「ブルーサファイア」エレジー㉓

 テーブルに並んでいる、まぶしい位の豪華な中華料理の数々は、焼き豚と麻婆豆腐以外は、ほとんど私の知らない料理ばかりでした。  今まで、私とA先輩がよく食べた中華料理といえば、チャーハン、小籠包、ラーメン、あんかけ焼きそば、中華丼、ギョウザ、レバニラ炒め、チンジャオロース位のものでした。  私は、目の前の中華料理を見て、感謝感…

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「ブルーサファイア」エレジー㉒

 カノン先生はしばらく沈黙していましたが、手を上げてホテルの男性スタッフを呼ぶと、レモンスカッシュを3つ注文しました。  やがて、女性スタッフがレモンスカッシュを運んできました。男性スタッフも、女性スタッフも、カノン先生に対して礼儀正しく、すごく気を使っているようでした。  カノン先生は、なぜか、少し沈んでいるような感じでし…

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「ブルーサファイア」エレジー㉑

 私達の乗った青いゴルフは、山手の丘の整備された広い道路をどんどん上って行きました。  かなり走ると、やがて高い丘の上に、どう表現したらいいか、山小屋というか、ログハウス風の大きな建物が建っているのが見えてきました。カノン先生が言いました。  「あのホテルよ」  近づいてみると、造りのがっしりした、かなり大きなホテルで…

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「ブルーサファイア」エレジー⑳

 しばらくカノン先生は何かを考えているようでしたが、口をすぼめて少し怒った口調でA先輩に向かって言いました。    「不思議な人ですって?……ひょっとしてA君は私を、……変な人だと思っている?」  「ハハハ、……少し」  「アラッ、否定しないのね!」  すかさず、私が、思い切って本音を吐露しました。  「合気…

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商品紹介

プロフィール

Romy Rurikawa
あらゆる乗り物が好きなのでよく旅に出ますが、そこは日常の喧騒から逃れて自分をみつめ、淡いふれあいもある、やすらぎの空間なのです。