「ブルーサファイア」エレジー⑲

 カノン先生は、なぜか海を見つめていました。私は、あの男たちが穴から出て、やって来るかも知れないと、ハラハラしていました。A先輩が言いました。  「カノンさん、早く出発しましょう。あの男たちが穴から出てきて、追いかけてこないうちに」  「そうね。だけど、先にトラ君の治療をしましょう」  そう言ってカノン先生はゴルフに乗…

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「ブルーサファイア」エレジー⑱

 私たちの前までやって来ると、リーダー格と思われる男が、カノン先生をじろじろ見ながら言いました。  「さっきは、交差点で、失礼しました。チラッと見たら、きれいなお嬢さんが運転しておられたので、びっくりしましたが、バカヤローと言われたので、お詫びに来ました」  私はカチンと来ました。私が中学生の年頃と見て、私が「バカヤロー」と…

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「ブルーサファイア」エレジー⑰

 「あの大型バイク3台は、Uターンして引き返してきたのですね。それにしてもスレスレで、無茶な抜き方ですね」  そう言いながらA先輩が前方のバイクを、怒りを込めて指差しました。私も不安になり、つぶやきました。  「僕が ”バカヤロー” と叫んだので追いかけてきたのかもしれない」  「大丈夫よ。気にしないで」  そう…

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「ブルーサファイア」エレジー⑯

 「当たりました! カノンさん!」  私とA先輩は声を揃えて叫びました。  A先輩は、とにかく中華料理が大好きなのです。私も中華料理が好きなので、A先輩と2人でよく一緒にあちらこちらの中華料理店に食べに行っていたのです。  A先輩は拍手しました。  「驚きました!僕は中華料理がとても好きなんです」  私も、…

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「ブルーサファイア」エレジー⑮

 カノン先生には、やはり、彼氏がいたのです。  A先輩は少しおどけて言いました。  「うわ~、やっぱり。……一緒に絵を描いたりとか」  カノン先生はうなずきました。  「そうね。そんなこともあったわね。だけど、彼には、今は会えないのよ」  「遠くにおられるのですか、外国とか?」  「そうじゃないけど……

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「ブルーサファイア」エレジー⑭

 フォルクスワーゲン・ゴルフは海岸沿いの国道を走っています。空は晴れていて、車の進行方向の右手には、瀬戸内海の青い海が広がり、島々が浮かんでいます。  車を運転しながら、カノン先生は、A先輩に向かって、「有坂君は西島君のことを “トラ君”と呼んでいるのね」と言いました。  「ええ、仲間ですから。親しい仲間は、みんなそう呼んで…

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商品紹介

プロフィール

Romy Rurikawa
あらゆる乗り物が好きなのでよく旅に出ますが、そこは日常の喧騒から逃れて自分をみつめ、淡いふれあいもある、やすらぎの空間なのです。